女性のための家庭内別居の基礎知識

家庭内別居とはどのような状況のことなのか。メリットやデメリット、解決方法などを記載していきます。女性にとってこの状況をどうしていくとよいのか、考えるきっかけとなり少しでも改善につながることになりましたら嬉しいです。

目次
◎家庭内別居ってどんな状況?家庭内別居といえる状況
◎家庭内別居の良いところ悪いところ家庭内別居の良いところ家庭内別居の悪いところ
◎関係修復の可能性を考える
◎家庭内別居の上手な進め方ルールを決める子どもにも配慮した生活にする
終わりを決める
◎家庭内別居事例新型コロナウィルスが影響した家庭内別居
◎まとめ

◎家庭内別居ってどんな状況?
家庭内別居は離婚はせず、同じ家に暮らしていながら共同生活をしていない、夫婦としての実態がない状態をさしますが、法律的な定義はありません。会話がないだけでなく、顔を合わせることがないような状態が続いているとそれは家庭内別居といえるかもしれません。

好意があり、結婚に至ったものの、長く一緒にいることで価値観の不一致や浮気、家事の分担がない、性交渉がない、など家庭内別居の理由はそれぞれの家庭によってさまざま考えられ、長く続いた家庭内別居の末、離婚という選択をする場合もあります。

家庭内別居では、婚姻関係が破綻しているという状態であり、別居していることが想定されます。一方で離婚では、夫婦関係が破綻している、という表現となり、違いがあり、家庭内別居はいつ離婚に至ってもおかしくないといった状況と考えられるのです。つまりそのまま、家庭内別居を続けたところで夫婦の仲が修復されたり、別居が解消されるということにはつながりにくいところまできているということになります。

同じ家族でありながら家庭の中でコミュニケーションを取らない、または避けるなどの行為がみられ、他人のような素行をみせる関係が家庭内別居です

〇家庭内別居といえる状況
家庭内別居の定義といえる特徴、状況とはどのような状態であるのかを確認しておきましょう。

・寝室、家事は別々
家庭内別居でよくみられるのは寝室や食事が別々であるという点です。一番最初のおこなわれることが、寝室をわけるといった行為となり、もちろん性交渉はありません。また食事や洗濯などの日常的な家事に関しても個々でおこなうことが多いようです。家事に不慣れな場合には、食事がない生活、洗濯物を何日も溜める自体となってしまいます。1つの住まいでありながら、お互いに干渉しあわない他人同士が暮らしている状態といえます。

・顔を合わせることはない、会話はしない
夫婦間の会話やコミュニケーションがありません。夫婦間の中で必要最低限の情報交換などは、顔をあわせずにおこなうことができるメールやSNSなどを利用している場合もあります。仕事のような業務連絡にとどまったコミュニケーションも家庭内別居の特徴といえます。

・お互いが何をしているかわからない、在宅しているのかもわからない
意図的に避ける、または顔を合わせないような生活を送っているため、お互いが何をしているのか、在宅なのかも不明であるというケースもみられます。いない存在として、日々の生活を淡々と送るような関係になっていきます。

・快適と感じている
これは特に夫婦の活動する時間が異なっている場合によくみられる傾向で、すれ違いの生活を続けていることで、お互いが縛られることなく自由に暮らすことができ、快適と感じてしまいます。このような場合には改善が難しく、長い期間において家庭内別居を続けてしまいがちです。

◎家庭内別居の良いところ悪いところ
家庭内別居に対してあまり良いイメージを持つ人は少ないかもしれません。しかし良い選択と捉えることもできるのです。そこで、家庭内別居の良いところと悪いところを挙げて説明します。

〇家庭内別居の良いところ
・経済的負担や労力を必要としない
離婚でみられるように家を出て引っ越しをしなければならない状況下では、新しい住まいを探し、賃貸契約の場合には不動産屋に支払うお金や、引っ越し費用、新しく生活するための家具や家電など多くのお金と時間、そして労力がかかります。それと比較すると、どちらかが家を出ていくわけではないため、余計な出費がかかることなく経済的負担、労力などがかかることはあまりありません。経済的な理由から家庭内別居にとどめている夫婦も少なくないのという現状があります。

・手続きが不要
離婚は行政的な手続きが発生し、心身ともに疲弊するという話は知られています。それに比べ家庭内別居では、法律上はあくまでも夫婦という形を保ったまま、手続きは一切なく、コミュニケーションは取りたくない、距離をとりたいといった方法としては手軽であり、最適な方法といえます。

・家庭内以外の影響はほぼない
家庭内での事態は、周りからはあまりよくわからないものです。本人たちが口にしない限りは、近所や職場などへの影響はほとんどないといえます。離婚や別居では、住まいが変わったり、それによって通勤手段もこれまでとは別の方法になったりと、さまざまなことが関係して、周囲からも変化がわかりやすい状態となってしまいます。

〇家庭内別居の悪いところ
・存在を感じストレスになる
家庭内別居では、コミュニケーションすらないものの、あくまでひとつ屋根の下でお互いが生活をしているという環境です。ちょっとした物音や足音、洗濯物や子どもとの接触など、自身が直接ではない場合でも存在感を常に感じることとなり、些細なことでイライラする可能性があります。

・子どもへの影響
子どもがいる場合には特に家庭内別居について慎重に考える必要があります。自分たちだけでなく、子どももまた同じ家に住んでいるのです。家庭の雰囲気が悪いことを感じ取り、性格や今後の成長にも影響が出てしまう可能性が考えられるのです。

・長引くと修復が難しい
家庭内別居が長引けば長引くほど、夫婦関係は修復しにくくなります。お互い顔を合わせないような習慣が、楽になってしまうともう以前のような生活には戻ることが難しいものです。

・さまざまなリスクがある
家に帰っても険悪な雰囲気しかないとわかっていれば、外で時間をつぶすことが増え、結果的に家庭内別居が原因で不倫につながることも考えなければいけません。

◎関係修復の可能性を考える
冷却期間として家庭内別居をおこなったことで、不満やストレスから解消されることもあります。またお互いの役割の重要性に気付くことができる機会にもなります。そのため、お互いの存在価値を再認識することができたなら家庭内別居を解消して夫婦関係を修復することが可能といえます。

家庭内別居は体力的にも精神的にも大きな負担となり、長く続けば辿る道は離婚となります。その前にどうして家庭内別居に至ってしまたのか、その理由を考えてみる必要があります。そこで、徹底的に直してほしい部分や受け入れられない部分、嫌だと感じる点、逆にいいところや長所と感じる部分、今までのよかった点などを真剣に考えてみましょう。修復の可能性があるのであれば、行動あるのみです。

じっくり、ゆっくりでいいのでとことん話し合うことが修復への第一歩といえます。ただ、考えることすら嫌で、もう無理だと感じるのであればその時には修復は不可能でしょう。

◎家庭内別居の上手な進め方
お互いの気配を感じ、避けるような生活は決して楽なものではありません。上記でも説明したように、長引けばそれだけ修復が難しくなってしまいます。それでは家庭内別居はどのうように進めたらいいのでしょうか。コツを紹介します。

〇ルールを決める
家庭内別居はお互いにストレスが溜まることであり、長引くことで心身のバランスが崩れてしまうこともあります。むやみに避ける生活を送るのではなく、お互いが守ることのできる範囲でルールを決めることをおすすめします。それは、共有部分の使い方や家事の分担、生活費に関すること、子どもへの接し方、対外的な付き合い、必要最低限の情報交換なども含まれるでしょう。

〇子どもにも配慮した生活にする
家庭内別居では、離婚や実際の別居と違って子どもには理解が難しい点が多々あります。同じ家にいるのに両親が会話もせず、食事も別にとっているとなれば、事情が分からない子どもでも不仲であることを察します。子どもの成長に悪い影響とならないためにも、子どもには悟られないようにすることが重要です。話がわかる年齢であるならば、子どもも一緒に話し合うなど、子ども目線で配慮をしなくてはいけません。

〇終わりを決める
冷却期間としての家庭内別居をいつまで続けるのか、終わりはどこにするのかを決めておきましょう。結果は修復と離婚のいずれかとなるわけですが、家庭内別居が長期化することに比例して修復は難しくなります。

◎家庭内別居事例
家庭内別居の実際の例を紹介します。

〇新型コロナウィルスが影響した家庭内別居
・40代男性
・妻は30代
・飲食店勤務
・妻はスーパーでパート
・新型コロナウィルスの影響で、営業自粛となり朝から夜まで働いていたのが、昼から夕方までのアルバイトのような生活となる
・妻は夫が家にいるこに対し不満があり、一人の時間がほしいと、日に日に機嫌が悪くなりケンカが増え、ついには口をきかなくなってしまった
・最初は男性が修復を試みるも変わらない態度に、そのまま家庭内別居に至り、コロナが落ち着いた現在も続いている
・生活費は共同だが、使い道はお互いに不明
・食事、寝室は別
・姿を丸一日見かけないこともある
・子どももおらず、家庭内別居で特に困っていることはないため、どちらかが言い出せば離婚となってもいいと思っている

上記のように新型コロナウィルスによる影響で家庭内別居となったケースは多くみられます。

◎まとめ
家庭内別居は、同じ空間にいながらにしてお互いを意識せずに生活するという、非常にストレスが溜まるものです。聞いて欲しい話があっても、家庭内別居中では話すこともできません。かといって、子どもに相手の悪口を言うことは避けなくてはいけません。一つの家庭にいながらにして孤独を感じてしまい、すべてを自分自身で抱え込んでしまっては、精神衛生上よくありません。そんなときになんでも話せるような人がいると非常に心強いものです。ひとりで溜め込まず、話せる相手には聞いてもらうことも大切です。

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